みなさんこんにちは、川越市六軒町にある就労継続支援B型事業所あしたのタネ川越六軒町のmです。
もう何年か前の話です。
シン・エヴァンゲリオンを見たくなった私は高校の頃の先輩とLINEしていて「しょうがないからTSUTAYAで探しましょうか?」と送ったところ、先輩は「レンタル?シンエヴァならアマプラにあるよ⁈」と驚かれました。
聞いたところによるとAmazonプライムにエヴァンゲリオンは全作独占配信されており、配信当時はかなりの人がAmazonプライム配信を契約してシンエヴァンゲリオンを見ていたらしく、ちょっとした騒ぎになっていたそうです。その時初めて、私はレンタル産業の崩壊を否が応でも知ることになりました。
そこでさっそくAmazonプライムに加入してファンの皆さんと同様にシンエヴァンゲリオンを鑑賞したのでした、ストーリーは相変わらずよくわからない話の目立つ展開ではありましたが、同時にBlu-rayディスクをはじめとするディスク媒体の衰退をも実感し、どことなく寂しさを感じたのでした。かつては買ってきた音楽CDをダビングしたCD-Rを使い捨てたり、CD-RWを使い回してデータのやり取り(もっと昔だとレーザーディスクやフロッピー、カセットテープやVHS)をしていたものですが、それがDVD、Blu-rayと次第に大容量化し、重いアニメ映画すらBlu-rayに収まるようになりました。しかしアニメ作品はパッケージで買うと値段が高く、万単位の価格になることも少なくありません。ミュージシャンやアニメーターが決して高くない給料で働いていると考えると、サブカルチャー大国日本として、こうしたクリエイターには更なる給与があっても当然です。そこをあえてサブスク配信で利益を回収し、あまり売れないディスク媒体の代わりにしよう、そういう作戦なのでしょう。ここにアニメのDVDや音楽のCDが大量に売れる時代は終わって行きました。
しかし、日本政府はサブカル作品のクリエイターへの投資を見誤ったのか、謹製のサブスクはあるといえばありますが、どうしても外資のサブスク推進の波に飲まれるのを止められず、ゲームはsteam、ドラマはHuluといった具合で同様に漫画、アニメ等の管理はAmazonやネットフリックスなどの外国企業によって行われるようになっていきました。まさに日本の娯楽を支えた人々の賞与は一部外資企業に委ねられることになるのでした、Amazon以下これらの大企業によるサブスク運営はとても便利で、都会にいても田舎に住んでいても契約をしていて、かつネット回線がつながっていれば、いつでもどこでも目的の作品に触れることができます。
しかし、これは私的な体験ですが、私は以前とあるB級洋画が観たくなってBlu-rayを買いに行った事があります、世間的には評価が低くマイナーな作品なのでそこらのBlu-rayストアにはなく、最終的に渋谷のタワーレコードでようやく購入できた、という経験がありましたから喜びもひとしおと言った感じでした。こうした体験は配信にはできないものと思います。Amazonプライムなどのサービスは便利ですがディスク媒体にしか無い良い点、発見の喜びもあるといえばある、そう思います。
そういえば、最近のニュースで、SONYがBlu-rayディスクの生産をやめる、という報道を目にしました。こんなにもインターネット配信が台頭していると仕方ないと思う反面、あのパッケージを開ける喜びはもうなくなっていくのか?と思ったのでした。ゲームなどもそうで、まず取り扱い説明書がなくなり、次にダウンロード販売限定PS5が現れ(PS5デジタルエディション)おそらくパッケージングを行う会社や印刷業者などにダメージを与えたと思います。今の時代ではハードウェアさえ持っていればゲームでも映画でも楽しめるようになり、便利な技術がたくさん使われています。ダウンロード販売のない頃は私もニンテンドーDSのゲームカセットをなくして苦い思いをしたりしました。
とはいえローテクにはローテクの喜びがある。私の大好きなゲーム、ファイナルファンタジー9などはCD4枚、加えてPS1の性能を最大限に使った大作でした。ディスクを入れ替えるたびに先の展開が気になったものです。
しかし、それも今はない、容量の制限がほぼなくなった今、4枚組ディスクなどというゲームはなくなり、家電量販店でのパッケージゲーム製品の販売エリアは狭くなり、もはやかつて盛況であったレンタル事業も成り立っていません。これは書店にも共通の問題ですが、書店の場合は電子書籍リーダーの躍進が売り上げに重くのしかかります。漫画は確かに電子でもいいでしょう、ONE PIECEや通称「こち亀」などの作品は長すぎて大抵の書店では全巻置いていない上にたとえ買い集めても置き場がありませんから、AmazonのKindleに入れて読んでもいいでしょう。Amazonプライムやダウンロード販売のゲームなどにも言えますが、その分浮いたコストはクリエイターに是非還元してほしいと切に願うものです、消費者とクリエイターには互恵関係が必要だと私は思うからです。もっとも、極めて長い小説を電子書籍リーダーで読むのはなかなか辛いですね。「罪と罰」レベルの作品になると目に悪くて読みきれません。
本屋は無尽蔵の在庫を誇り、廃盤になった本でもすぐに購入できるAmazonに
ゲームは在庫の概念がないダウンロード販売に音楽、映画は契約していればいくらでも鑑賞、視聴できる各種配信サービスに押され、かつて台頭したカセット型やCD型の記録媒体はすでに過去のものとなりつつあります。その時代を知っている私としては便利さに感動する一方、時代の変化についていけない面もある、それも事実でした。
ただしディスク、カセット媒体の終焉、サブスク、ダウンロード販売の登場は各種著作物の違法コピーを減らすという意味ではいいことなので、一概に記録メディアがあまりなくなるからと言って、必ずしも悪ではない...少なくともそう思いたいです。現行の記録媒体としてはマイクロSDやUSBメモリ、SSDといった製品もありますので。
おわりに
本稿は1人のツインファミコンや太古のレコード時代を知る者が回顧録として書いたものにすぎません。私の体験談など興味がないという方もおられるでしょう、しかしながら、書いてしまった以上誰かが読んでくださるとこの上なく嬉しいです。
若い読者の皆様におかれましては。そういう時代もあったんだ、程度に流し読みしてくださると幸いです。
インターネット配信の時代の次に、いったい何が訪れるのでしょう?
これをお読みの方は、それを見ることとなるでしょう。
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