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幸福論
みなさんこんにちは、川越市六軒町B型作業所明日のタネのmです。強い寒波もどうやら鳴りを潜めた感じが致しましたがいかがお過ごしでしょうか?
さて、今回のテーマは「幸福」です。読者の皆さんはどういう体験の時、幸福を感じますか?私はおいしいものを食べる時であるとか、パソコンのパーツをいろいろいじっている時など、趣味的な活動をしている時に幸福を感じます。
ところが世界基準で見ると、日本人の幸福度はG7で最下位、(ただし上がってきてはいて全体47位)常に北欧諸国が上位を占める事態が常態化しています。
確かに現在の日本社会には改善するべき点がいくつもあります。人間関係の問題、止まる気配のない少子高齢化、ブラック労働、上がらない賃金などその種は多種多様で、幸福度が上がらないのにも確固たる理由があるというわけです。
しかし、日本人を不幸に陥れている最たる原因は、(知らぬ間に人と比べてしまう)ことではないかと従前より言われています、
現代ではSNSの発展により他人の生活を容易に知ることができますが、そこで自分が持っていないものを(お金でもタワーマンションでもなんでも)SNSで知り合った誰か近しい人が持っていると知った時、無意識の比較によって虚無感にとらわれて自分が不幸だと思ってしまうのではないかと私は考えます。
これは専門家に言わせても似たような答えに至るようで、YouTuberで精神科医の樺沢紫苑氏もそのように述べていました。
かつて、2013年頃、突如として幸福度ランキングアジア最上位に現れた国がありました。インドと中国の間にある小さな国、ブータン王国です。必要以上の財にとらわれず、心の安寧を求めるブータン国民の姿を取材して当時のメディアはあたかも理想郷であるかのように報道しました。閉鎖的で外の世界を知らない当時のブータンの国民は、その時、が来るまでは幸せだったのでしょう。
しばらくして、その時、が訪れました、ITとインターネットの登場です。ブータンのような小国にもその波は訪れ、国民は外の世界を知ってしまいました、相当なショックだったのか幸福度は凄い勢いで下がり、2023年時点ではランク外で2013年は8位だったものが大きく落ちてしまいました、他国との比較や、お金、先端技術の誘惑はかくも強いものかと実感させられます。(幸福度の低下は他にも要因があって交通網の進化によって周辺諸国から渡ってきた麻薬によって侵されてしまう国民も現れ、社会に混乱が訪れたのも一因です。)
ともあれ他人と比べた瞬間、その人は不幸になる、これは先のブータンの例から妥当であると言っていいでしょう、 もし、他人と比較することを全日本人がやめたらどうなるのか、こうした思考実験には興味があります。
他国と比べてしまうと確かに物価は高いですし税金もたくさん取られます、しかし、日本はそんなに悪い国ですか?それは確かにメルセデスベンツやアルファロメオを買える人は少ないでしょうが経済格差はアメリカよりもはるかにましだと思います。
未来にどうなるかはともかく、現状では貧しい人も医療を国民保健で受けることができます、都会に行けば牛丼や中華料理にイタリアン、フレンチなどいろいろな国の料理を比較的安価で体験できます。お巡りさんもおしなべて親切で治安も大変いい部類に入ります。娯楽も野球にサッカーにコンピューターゲームなどたくさんありますから、全世界規模で見れば中の上くらいだと思えます。
確かに少子化に伴う2025年問題などの懸念はありますが、社会問題も似たようなことが、他国でも起きています。一例としてベビーブーム期に100万人の新生児が生まれた韓国では2022年には25万人しか産まれませんでした。
出生率について言えば西欧諸国もフランスが少しいい程度でヨーロッパも似たようなものです。よって他国を意識して過度に未来を憂慮しても個々人の幸福度に悪影響が出るだけです。(人口と経済の関係は幸福度とイコールではないので、また次回取り上げましょう)
全員が全員そうというわけではありませんが、思うに日本人はネガティブな感情が先行してしまう傾向にあるように思います。私もポジティブとはいえない性格と自覚していますが、これだけしっかりした国が幸福度G7最下位は何か国民性というものを感じます。
少なくとも幸福度の問題については、古代中国で老子が説いた「足るを知る」ということが必要で、現代日本人の苦悩はこうしたものを実践することで無くすことは不可能でも緩和されるように思います。
以上、mの幸福論でした。
参考文献 前ブータン王国名誉総領事館ホームページ内、女性セブン2021年11月4日号内抜粋記事