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中国の政治家商鞅と考える法学

みなさんこんにちは、川越市六軒町にある就労継続支援B型事業所あしたのタネ川越六軒町のmです。 はじめに 本稿には犯罪行為や社会問題に関する論述がありますが、法制度の限界やその他の諸問題を扱っています。決して不法行為を良いものとして作った文章ではなく、犯罪対策としての法規制の限界点に着目して書き上げました。そのあたり誤解なきようお願い致します。 皆さんは原泰久先生の漫画「キングダム」はご存じでしょうか?この漫画は、中国の戦国時代がテーマの漫画で、漫画はもちろん、映画にゲームにアニメと大ヒットしました。まだ三国志や西遊記ほどではありませんが、この漫画の影響で歴史としての中国戦国時代も近年高い知名度をもつ時代となりつつあります。 そのキングダムの舞台とはほんの少し前、中国が7つの国に分かれていた時代、のちに始皇帝を生み出す秦の国に、商鞅(しょうおう)という政治家が仕えていました。 商鞅は非常に頭の良い人物なので、国のためにとさまざまな改革を行いました、少し難しいですが、秦国の度量衡(物の長さや面積や体積などの単位のこと、始皇帝時代に完全統一完成)改革などは見事で、それらがたしかに秦国の発展と平和に大きく寄与したのは間違いありません。 しかし商鞅の改革は急速かつ容赦がない、特に法制度の分野では容赦なく、例外なき厳罰と徹底した効率化をもって臨んだために、さまざまな人の恨みを買いました。 ついに恨みを持つ秦国貴族軍に反乱を起こされ、逃げる身分となってしまった商鞅は、ひとまず宿屋に逃亡することにしました。 しかし宿屋の主人は「商鞅様の厳しい命令により、どのような人物であれ、手形(今で言う身分証)のない方はお泊めできません、私まで罪になります。」と断られてしまい、この時の商鞅が残した有名な言葉は「法を完遂させた結果、こんな弊害が出ることになるとは」といったものでした。 仕方なく手勢で秦の反乱軍と戦いますが敗れて罪人となり、最終的に処刑されます。秦国の天才政治家は自分の作った法律で死亡したのでした。厳しく法律を作ると、一見平和ながらも生きづらい社会になっていき、人々から活気を奪う。そして追い詰められた人々は、反乱を起こす。 日本社会においては近年犯罪件数としては減少傾向にあるとはいえ、手口が巧妙化した、たとえば特殊詐欺など現在報道されているさまざまな犯罪行為に走る若者たちは、技術的には不景気ながらも一応便利なれど娯楽は事故事件防止という名目の規制でがんじがらめになり、公園で遊んでいると近隣住民にうるさいと言われ、クレームが入るとテレビもゲームも社会悪だとしてすぐに表現規制。 その結果として生まれたあらゆる窮屈な法制度や社会の諸問題への怒りで動いている側面が見えはしませんか? 人間は満たされていないと悪い考えに陥りがちです。これを解決するには何が彼らを支配、束縛しているのか、そこから考える必要があるでしょう。 一番にお金が満たされないことは挙げられますが、しかしバブル景気の時にも犯罪はありました。現在はひどい不景気でお金の問題は確かに我々を蝕んでいますが、私は現在の諸問題については少なくともそれだけではないと感じています。 たしかに何をしても自由というのは大問題ですが、多少のことを逐一規制してしまうのもまたそれはそれで問題だと私は思っています。法や制度のさじ加減の重要性を商鞅という人物は教えてくれているように私には見えました。 参考文献 ⚪︎最新世界史図説タペストリー二十三訂版(帝国書院)2025年刊 監修 川北 稔 桃木 至朗
