みなさんこんにちは、川越市六軒町にある就労継続支援B型事業所あしたのタネ川越六軒町のmです。  

いつまで経っても寒いので、近所の書店に行くのもためらうようになってしまいました。みなさんも感染症や病気の類には、どうかお気をつけください。

さてさて今回のお題は、サブカルチャーの世界の悪役論です。2月某日、高校時代の部活の仲間(コンピューター部)2人と公開されていたガンダムSEED DESTINY FREEDOM を見に行きました。

私自身はガンダムSEEDのアニメを見ていなかったのですが、先輩から面白いから観ろよーと連れられて最低限の知識しかない状態で鑑賞しました。  

率直な感想を述べると、放送当時ガンダムSEEDシリーズを観ていた人向けの作品で、つまらなくはないのですが、世界観や登場人物をあまり知らないので先輩に人物相関図を教えてもらってようやく理解が及ぶものでした。

ここは複雑にすぎるかもしれませんね。作画は大変美しくメカデザインはカッコいいですしシナリオの破綻もない、声優さんもアニメに疎い私でも知っているベテラン揃い、だが何かが足りない、でもなんだろう?と考えた末、この映画には優れたところがたくさんあるが、敵将の魅力が今ひとつである、という結論に至りました。  

これはまったく私の持論なので賛同していただく必要はありませんが、戦い物の創作作品で優れたものは、悪役の設定や個性、見た目、台詞回しなど、何かが優れた作品が多いように思います。  

わかりやすいのはスターウォーズのダースベイダーとパルパティーン皇帝などでしょう、ベイダーや皇帝といった個性的なキャラクターがしっかりした設定のもとで「活きて」いるからルークやレイア姫といった正義サイドのキャラクターが魅力づけられる。そう思います。  

他にも、先日突然に訃報があり大変驚きましたが、鳥山明先生の「ドラゴンボール」作中の敵キャラクターの中でも、フリーザ編ボスキャラクター「フリーザ」に魅力を感じた人は多いのではないでしょうか。

現実世界のみならずインターネットの世界でもかなりの人気を誇り、箱根駅伝でも毎年「フリーザ軍団」が走路に現れます。漫画でも圧倒的強さで悟空たちを圧倒し、戦闘力530000という数値は、読んだ人は忘れられないのではないかと思います。  

変身するたびに変わる一人称、残虐性が高い一方で実は結構ホワイト上司など、フリーザの魅力を語り出したらきりがないのですが、このキャラクターがいなければ、ドラゴンボールという作品の盛り上がりにも影響があったのではないかと思います。

伊達に手塚治虫先生に後継者と呼ばれていない、鳥山先生の「悪の美学」がしっかりと出ていると思います。

余談ですが、メタルバンド「マキシマムザホルモン」の「F」という曲はフリーザとその部下についてが歌われており、ニコニコ動画などで話題になりました。  

あと私が好きなのは同じくジャンプより「ジョジョの奇妙な冒険」第4部ボスキャラクター「吉良吉影」でしょうか。普段はデパート勤務の目立たないサラリーマンですが、異常性癖を持つ殺人犯で、美人の手の美しさに執着し、自身の特殊能力「スタンド」で手以外を爆破して証拠隠滅し手は持ち歩く。

基本的に有能で、なんでもできますがあえて出世せず大学も二流。部屋にあるトロフィーは全て銅賞のもの、1位を取れる能力を持ちながら、目立ち過ぎたくないが埋もれたくもないためあえてこの位置(わざと3位)を狙って生きてきた、などキャラづけが珍しく、「殺人性癖を持っていても、静かに暮らす」のが目的という大変特異なキャラクターで、荒木飛呂彦先生の独特な台詞回し、どんなに主人公たちに追い詰められても生命に貪欲に執着する根性から、極めて人気のある悪役で、先生本人も「歪んだ性癖さえなければ、僕のヒーローそのもの」と第4部後書きに書いています。  

と鳥山、荒木両氏の生み出した悪役のうち一人ずつピックアップしましたが、締めますと、私が思うに世間に名作として認められているサブカルチャー作品においては、悪役、特にボスキャラクターこそ正義サイドの倒す敵の中で最も大きなものでなければならない、苦労して倒す巨悪がもし、強いだけで、北斗の拳のごろつきみたいに思想も哲学もカッコ良さもないとかなってしまうと、正義サイドのキャラクターの魅力や創作物全体の評価を下げかねません。(北斗のごろつきはケンシロウたちにやられるただの敵としては人気ありますが)  

私より年上の人なら初代ガンダムのギレン・ザビ(演説シーンが有名ですね)や赤い彗星のシャア、ZZガンダムのハマーンなどを名悪党(シャアはライバルかな?)にあげる人がいると思いますが、彼らがボスキャラクターでなければ、良質なロボットアニメに止まったでしょうね。最近では屈折した主人公を描く作品もありますが、基本的には善悪割り切れる作品が初心者には一番わかりやすいとは思います。(そこは、脚本家や監督の腕の見せ所ですが)  

最後になりますが、ガンダムシリーズで私が好きなモビルスーツはいくつかありますが、まず地球連邦軍の「ジム」です。あのわかりやすい見た目、弱さもまた魅力でプラモデルでも2時間かからず作れる単純な構造が好きです。かわいいですしね。ボスキャラクターだと「Zガンダム」のボスキャラクター、シロッコの「THE=O」が好きですね、いかにも強そうないかつい見た目や隠しビームソードなど個性的な武装、これはよかったですね。