みなさんこんにちは、川越市六軒町にある就労継続支援B型事業所あしたのタネ川越六軒町のmです。

最近の若い者ときたら…この言葉は、古代エジプト文明の時代からすでにあったそうです。先立つ者が若者批判する声が出るのは、いつの時代にもあるということです。  

私は日本で言うところの「ゆとり世代」の生まれ (今年で32歳)でしたが、マスコミも教育評論家もこぞって我々に対して「使えない」だとか「日本の未来が不安になる」だとか言ってくれたものです。

極め付けは「円周率を3で計算している」「台形の面積の求め方を教えていない」というものまであり、これでゆとり世代=頭が悪いという烙印が押されました。(少なくとも私はそのような教育は受けていませんが)

ただ、ゆとり教育について言えば、従前の詰め込み教育に対する画期的政策として支持を得たこともあったのです。教科書は薄くなり、完全週休2日制になったことで、自由に使える時間が増えて、友達と遊ぶ時間が増えたり、連休の時旅行に行きやすくもなりました。

学校の先生も今より仕事が楽だったのではないかと思いますが、どうだったんでしょうね。  これに不満があるのならば、我々に文句を言うのではなく、苦情は文科省に言ってもらいたいと思ったものですが、いったん根付いてしまった偏見はそうそうなくなるものではありませんでした。

ネットの書き込みひとつをとっても、何か事件が起きるとゆとり世代全体が悪とされてしまった時代がありました。  

時がたち、私が大学に入ってしばらくすると脱ゆとり世代が下級生に入ってくるようになり、英検準一級を持ったような強者の後輩とゼミで一緒になりました。

その時私は二級持ちだったのですが、英語力でまるでその後輩にかなわない、ある時別の授業、教育学で文科省が脱ゆとりに舵を切ったと知り、ゆとり世代でも負けてたまるかと私も史学科の卒業論文で本気を出して地獄の卒論20000字を乗り越えて、手抜きできない性分もあり最終的にS評価をいただきました。

それまでの道が長く、ゼミが西洋史専攻(ローマ帝国)なので当たり前のように英語の歴史論文や当時の文献を読みます。これが本当に辛く、教授に何度となく叱られました。しかし、卒論提出後の教授による査読では、いまだ未熟ではあるが、よく調べ、言わんとしていることはわかるからと15分程度で口述試験が終わったのを覚えています。

(他の学生さんはいい加減に書いてしまったのか結構叱られて、口述試験で問い詰められていました) それからもう7年くらい経つでしょうか、私の英語力も錆びれ、今のハイレベルな教育を受けた若者には周回遅れで敗北しているのを自覚しています。

いまの若者のことを、メディアはアメリカの言葉を借りて「Z世代」と呼んでいるそうです。色々な報道を見る限り、彼らは小中学生の頃にスマホに触れ、かつ高度な教育を受けており、通信機器に極めて強い人々と言えそうです。

これまでの学習の経験値も加味すれば、彼らに勝るところももしかするとあるかもしれませんが、単純な学力では、私など彼らにとても及びません。  

Z世代は1995年以降に生まれた世代を言うそうですが、2023年11月ころ、私も鑑賞後、思わず立ち上がって「すばらしい作品だ!」と絶賛した大ヒット映画「ゴジラ−1.0」のCGスタッフに25歳の若者が関わっていたことを知り、驚きを隠せませんでした、と同時に、我々ゆとり世代も研鑽を積んだほうがいいと自戒しなければならないと思いました。

(ただし、ほんの一部には闇バイトに代表されるような犯罪行為を起こす者がおり、社会問題を引き起こしているあたり、Z世代の犯罪行為の手口の巧妙化には恐ろしいものを感じます。

しかし、そういう事件があったというだけで「これだからZは〜」みたいに言われるのは大変気の毒な話です。 「精神的に向上心のない者はばかだ」 これは夏目漱石の代表作「こころ」の登場人物Kのセリフですが、団塊だから、ゆとりだから、氷河期だからと各人が置かれた状況がいろいろあるとはいえ、向上心なくしては自分をマイナスに追い込むことしか起こり得ない、そう感じました。  

今の子供たちの学習に疑念のある方は、試しに、学校の教科書販売を取り扱っている書店で(今は池袋にあります)中学英語の教科書を読んでみてください、今の中学生がどれほど過酷な学習をしているかわかるはずです。彼らに追いつくことは容易ではありません。しかし知っておく必要は十分にあると思います。  

最後に、この原稿の下書きを書いていたらゴジラ-1.0がアカデミー賞を受賞しました!山崎監督以下制作に関わった全てのスタッフの皆さん、本当におめでとうございます!これまでゴジラシリーズを一個も見たことがない私が両手を挙げて称賛したのですからウケないはずがありません。

素晴らしい!日本は衰退国とか言われて久しいですが、いつの時代も、どんな教育を受けていても、世代関係なくやる気のある若者は活躍するということの証明です。 ゴジラ-1.0を超える怪獣映画を、また闘志に満ちた若者が作り上げることを祈って、この記事を終わります。