みなさんこんにちは、川越市六軒町にある就労継続支援B型事業所あしたのタネ川越六軒町のmです。
皆さんは歴史は好きですか?中学や高校で履修しましたか?理系に進んだ方は、もしかしたら中学社会で歴史学習を終えているかもしれません。 歴史を好きと思った方、どのあたりの歴史が好きでしたか?日本の戦国時代、江戸時代、幕末明治維新、帝政日本? 世界史は 古代4大文明、ギリシャローマ、オスマントルコ帝国、秦末、大英帝国、三国志、ナポレオン時代 このあたりがおもしろいと思った方はいると思います(帝政日本の侵略行為はひとまず置いておくとしましょう)。
私の体感では、戦国時代と三国志はやはり人気で、 今回取り上げる三国志は学びにくい外国史の世界にあって、日本では漫画、ゲーム、小説、ドラマに映画と全方位に大量の作品が生まれています。天才漫画家横山光輝先生は中国を訪れて取材し漫画、「三国志」を書き上げ、横山作品以外では「蒼天航路」などもよく売れました。ゲームではコーエーテクモ社の「真・三国無双」や「三国志」が大ヒット、小説は吉川英治先生の「三国志」も好評です。 中国史には他にもおもしろい時代があるのに、なぜ三国志なのか、一部の中国人は不思議に思っているようです。しかも日本人が持っている知識はかなりマニアックで驚いたそうです(私も三国志以外だと「覇王」項羽は好きですね、ものすごく怖い人ですが)
思うに漢帝国末期の動乱の時代に、劉備、関羽、張飛の三人が、紆余曲折の末諸葛孔明を配下として蜀を建国し、皇室を廃した曹操の魏および孫権率いる呉の三国が天下を争って熱い闘いを繰り広げる姿に惹かれ、様々な個性を持つ登場人物に感情移入し、いつの時代も日本人の心を打つのでしょう。 学校の授業では教科書の関係上、20分も経たずに終わる時代なのですが。これはちょっと寂しかったですね。
ところで、三国志には大別して二種類あるのを皆さんはご存知ですか?高校で世界史をやった人は先生から少し聞いていたかもしれませんが、歴史としての三国志は、晋の時代の陳寿という歴史家が書いた「三国志」でこちらが正しい歴史すなわち「正史」なのですが、つまらないので読む人が少なく、読んでいるのはかなりの三国志愛好家か学者です、私も少しだけ読んだことがありますが、魏4巻呉3巻蜀1巻の編成であっさりした記述が特徴です。曹操とその子の曹丕が建国した魏が正統王朝とした上で書いてありますが、その敵の袁紹、公孫瓚なども史実として登場しますが、私は挫折しました。おもしろいとはとても言えませんでしたね…
皆さんが読んだという三国志は恐らく明の時代の羅漢中という作家が書いた「三国志演義」ではないかと思います。横山光輝先生も吉川英治先生もこちらをモチーフにしています。硬い歴史書ではなくあくまで歴史小説なので読んでいておもしろい反面、主人公は劉備なので、読むと蜀びいきになり他国の武将の知識が偏るという欠点はあります(特に呉の扱いはひどく、登場すらさせてもらえない武将がいるほどです)この辺は、せっかくインターネット社会なのですから、検索をかけて調べるのがいいでしょう。
何から中国史の世界に入るかは人それぞれですが、三国時代ほど日本人の中国史学習の扉となっている時代はないと言っていいでしょう。私が学生だった頃、学生街のマクドナルドで三国志について熱く語る学生を見かけたことがありますが、これでは年中大ブームと化していると言っても過言ではありません。「西遊記」「水滸伝」などはいずれも中国奇書として有名なので漫画やドラマにたまになっているようですが三国志の人気の陰に隠れている感は否めません。数少ない中国史ものの大ヒット例は横山先生の漫画「項羽と劉邦」や漫画「キングダム」くらいでしょうか?三国志の場合、読みやすいベース(三国志演義)があり、面白いから自然と派生作品も魅力的になり、熱いファンがたくさん生まれ、たまに正史に手を出すファンのまで現れるのでは…そう思うほかありません。ただし三国志がアメリカ、東南アジアその他ヨーロッパでよく読まれていると聞かないので、三国志ブームは中国と日本特有のものかもしれません。
また、日本の三国志作品が本場中国に輸入され、いろいろ影響を受けているとは聞きますが、大体が日本のゲームの影響のようです。なお、コーエーテクモ社もネタ切れか、三国無双は8で一応終了?した気配がありますが、7がとても完成度が高く、これまでスポットがあまり当たらなかった魏の五将軍(張遼ら五人)や後続王朝の晋、三国志最強の男呂布にも焦点を当てていてよかったですね。昔はかなり蜀に偏っていたシリーズでしたが、後期の作品ではかなり公平なゲームになっていますね。
さて、「主人公」こと劉備は私は史実、演義共に良いとも悪いとも思っていません、生きるのがうまい傭兵隊長というイメージです、横山三国志では仁君ですが、実際は自身の戦闘力もそれなりにあります、コーエーの三国志査定では作品によりますが、知力、政治、武力等の数値が全て70代で、結構なんでもできる武将になっています。正史での働きと演義の活躍も加味してコーエー社が評価したものと思われます。それにしても演義と正史が私も混ざってしまって混乱します…曹操が好きなので、どうしても魏の目線で見てしまいます。
私は劉備配下にして超人気者の商売の神、軍神の関羽は軍神の二つ名のとおり、文句なし大変強いのですが部下を冷遇したりプライドが高く呉の呂蒙将軍を侮った結果敗死など失策がある(諸説あり) 張飛に至っては部下へのパワハラがやりすぎて暗殺されるあたり個人的にはこれはちょっと…と思ってしまいます(日中どちらにも大量にいるこの2人のファンの方には本当に申し上げにくいのですが。) 三国志はマイナーチェンジの写本がたくさんあるので、この2人をはじめ、各武将の扱いが異なるバージョンなどがあります。興味がある方は是非。深入りすると、高度な漢文解読技能が必要になりますが…
最近中国関連の記事ばかり書いている気がしますが、政府は対立していても、私は中国の歴史、文化が好きですし、歴史的には王朝がよく変わるとはいえアメリカよりも付き合いが長いのだからもっと仲良くしてほしいと切に願っています。政の世界はそんなに甘いものではないのは百も承知ですが。
参考文献 三国志 全8巻 岩波文庫 2002年発行