みなさんこんにちは、川越市六軒町B型作業所明日のタネのmです。

いよいよ3月が近くなってまいりました、今年の冬は辛かったですね(特に二月第一週)気象が年々おかしくなっているように思いますが、みなさんはどう思いますか?

異常気象は問題ですが、私が関心があるのは人口動態です。戦後日本で初めて人口が自然減少したのは2005年でした、当時は新聞に取り上げられる騒ぎになったのを覚えています。それから数年は微増傾向があり、2008年に再び自然減に陥ると、現在に至るまで減少が続いています。かの大実業家イーロン・マスク氏は自身のXアカウントで

「このまま出生率が上がらなければ日本は消滅するだろう、人類にとって大変な損失だ」と述べました。

ここで補足ですが、一組のカップルが最低でも2.07人は子供を産まないと、やがてその時点での人口は維持出来なくなります(胎児の時亡くなる子供がいることや、元来生物的に男性の方が生まれやすい為出生率2.0では駄目なのです)

マスク氏に言われなくともわかってる!という国民は多いと思いますが人口に関わる問題は古い難題でした、かつて団塊の世代がベビーブームを起こした時、文部省は人口激増に恐怖し、子供は2人までという教育をさせました。この時期のアジアはどこも高出生率で、日本が一番ベビーブームの負の面にはぶち当たらずに済みました。日本のベビーブームは短く、割合も出生率4人程度で終わりました、中国や韓国は比較的長く、しかも最大出生率6という数値でしたから、これから来る高齢化の反動も強いと言えます。その世界の指導者たちは人口抑制政策を取り、一番に日本が少子化国家となりました。(ただし、韓国の出生率は2023年時点で世界最低で、地球で1番に消滅するとまで言われています)

日本の少子化が始まったと言える年は1974年で、この年に出生率が2.07を切りました。

このとき少子化が未来に禍根を残すことを勘付いた人はいたでしょうが、高度経済成長、バブル経済と景気が良い時期が続いていた日本では、好景気の中でも出生率は下がり続けました、これを見ると近年に見る日本の少子化、人口減少はお金がどうというよりも、男女が経済的に自立できるようになり、かつお見合いなどの古い風習を捨てた結果だと私は思います。

ただし1992年にバブル経済が崩壊すると、凄まじい勢いで高齢化率が上昇し、気づけば世界一の高齢化国家に…

以上より日本型少子高齢化にはお金のばらまきは目に見える効果を持ちませんが、国民が貧窮化すると問題が悪化する、そう言えるのではないでしょうか?

当然独自路線をゆく国もあり人口増加を良いことととらえた国もありました。東欧のルーマニアでは、チャウシェスク大統領のもと、人口増加に重点を置いた政策を行いましたが、エレナ夫人の大散財に加えて、望まれずに生まれてきたような子が生まれてエイズや薬物中毒が蔓延、国全体としてはこの政策は失敗しました。少子化対策もいいですが、生まれてくる子供たちが確実に不幸になるならば、無理に人口政策を行うのは酷です、それはあんまりな話だと思います。

そのようであるならば、我々も座して覚悟して自国の終焉を待つべきでしょう。

 ところで昨今、岸田総理の少子化対策を叩いている人々はいますが、私はこればかりは誰が総理大臣になっても大同小異でドラスティックな変化は期待できないと思っています、かつてデンマークやスウェーデンで人口崩壊が起きた時、手厚い福祉でいったんは出生率が上がりましたが、2.0人に届く前に政策の効果は頭打ちとなり、いままた下がっているのを見ると、手厚い福祉は限界がある、これでは日本国がいろいろ進めている政策もあまり意味をなさないものと思います。

これから、そう遠くない未来に、地球上の殆どの国が少子高齢化に苦しむでしょう、かつては先進国になると娯楽が増えて子供より自分の趣味にお金を使うから結果として少子化が進む、と言われてきましたが、昨今では先進国とはいえない国で少子化が進む例が出てきました。タイ、マレーシア、ブラジルなどがこれに該当します、また、先進国であり開発途上国である中国も人口世界一の座をインドに明け渡してから大きく人口が減りました(2023年は−200万人だそうです)まだGNP(国民一人当たりの所得)が中等国水準なのに、人口が減り出したのです。北朝鮮はデータが定かではありませんが金正恩総書記の発言を聞くと決して多産ではないと予想されます。これらの例から分かることに、人類は老化によって絶滅する可能性があるということが挙げられます。私が尊敬する人口学者の河合雅司先生は「人類絶滅へのカウントダウン」の始まりであると説いており、移民を奪い合う時が来ると著書に書いています。

考えてみれば人間というものは万物の霊長などと喧伝し、他の生き物の生態系に勝手に手を加え、少なからぬ種類の生物を絶滅させてきました。

理由はどうであれ自分たちがそうなる危機に直面した時、果たしてどのような行動に出るのでしょうか?

以上、人口論でした