みなさんこんにちは、川越市六軒町にある就労継続支援B型事業所あしたのタネ川越六軒町のmです

キングクリムゾンに続き2曲目です。皆さんはハードロック、メタルの伝説的なバンド、アイアンメイデンをご存知でしょうか?アイアンメイデンのバンド名の由来は中世ヨーロッパで使われたと言われている拷問道具から来ています。ちなみに日本語では「鋼鉄の処女」などと訳されます。表題にあるこの曲はアイアンメイデンの代表曲で、私はフィアー・オブ・ザ・ダークと並んで好きな曲です。余談ですがアイアンメイデンは模型が国内に一つだけ日本の明治大学博物館にあります。中世ヨーロッパや日本の法制史に興味がある方は是非見に行ってみてください。ギロチンもありましたがすごい迫力でした。

さて、撃墜王の孤独というタイトルは英語版タイトルAces Highから意味が大きく離れていますが、なかなかのセンスだと私は思います。
アイアン・メイデンはボーカルがブルース・ディッキンソンという人物ですが、彼の才覚は多岐に渡り、歴史教師を目指してイギリスの名門大学の史学科を出ていたり、イギリス空軍に所属したり、フェンシングのプロでもあったり非常に多才な人物です。彼のキャラクターはおそらくギターのエイドリアン、リーダーのハリスなどと共にアイアン・メイデンというモンスターバンドの象徴となったことでしょう。

もしかしてこの曲はブルースも史学科卒としての知識を提供したのでは?と思ってしまう歴史ものの逸品です(ハリスが作曲しているため入れ知恵があったにしてもおそらくメインではないですが)曲の初めにはナチスドイツ空軍(ルフトヴァッフェ)との戦いに際してイギリス首相チャーチルの演説が流れ、その単語を拾うと戦争を扱った曲であるとわかるようになっています。歌詞を追うと、「スピットファイア」「ME-109」といったそれぞれナチス、イギリス空軍を代表する戦闘機の名前が流れます。戦後世代のグループであるにも関わらず同時期の、性能的にも近いこの機体を曲に出すあたり、アイアンメイデンというグループの教養が現れていると思います。

この曲はキングクリムゾンの暗鬱な曲調(エピタフなど)とは違ってイギリス本土防衛戦、いわゆるバトル・オブ・ブリテンを躍動感あふれる方向で歌っており、同じ戦争の曲でも描かれ方が違います。キングクリムゾンが現実の戦争を無慈悲に描く一方、アイアン・メイデンはこの曲で戦争を映画的に歌っています。なんとなく戦闘機ゲームの「エースコンバット」を彷彿とさせますね。YouTubeでアイアンメイデン公式が出しているミュージックビデオもよく出来ていて見応えがあります。(チャーチルもスピットファイアも白黒画像で冒頭に現れます)難点は早口で歌いにくいところでしょうか、カラオケなんかで試しに歌うと歌詞を暗記でもしていない限りまともに歌えません「洋楽はみんなそうだ」という意見にも賛成ですが。

行け、生きるために、飛べ
飛ぶ為に生きろ、やるか、死ぬかだ
望まなくとも行け 飛ぶために生きろ
生きる為に飛べ、撃墜王は貴く!
サビの部分のかっこよさを紹介したくて英語の歌詞を私が訳してみました、難しい語彙はないので他者様の訳と被るかもしれませんが、もしそれが発生していたとしたらそれは偶然の一致です。

この曲は1984年のアルバム「パワースレイヴ」に収録され、そのA面トップに収められました、そんな、名曲紹介シリーズ2 撃墜王の孤独でした。

本稿は以上です、お読みいただきありがとうございました。